診療設備・能力
痔核・直腸粘膜脱に対する手術

 当院は2008年4月1日付けで<自動吻合器を用いた直腸粘膜脱又は内痔核手術(PPH)>が保険適応になりました。

■PPH法とは

 痔核手術として以前より行われている根治術は、肛門部皮膚を切開し、痔核につながる根部血管を結紮し、痔核を切除するものです。一方、自動吻合器を用いた痔核手術(PPH:Procedure for Prolapse and Hemorrhoids)は専用の自動吻合器を用い、痔核そのものを切除せず、痔核の上方にある弛緩延長した直腸粘膜と血管を環状に切除・吻合し、痔核を正常の位置につり上げ、縮小させる方法です。
 従来の根治術と比べて侵襲を低減でき、肛門周囲の皮膚を切開しないため術後疼痛が少なく、入院期間も短縮可能となります。

 赤い部分が肥大し肛門から脱出した内痔核、青い部分が外痔核。

 器具を用いて直腸粘膜全周に糸をかける。

 自動吻合器を用いて直腸粘膜を全周性に切除縫合する。

 手術終了。直腸粘膜は痔核に血液を供給する血管とともに環状に切除され、痔核は縮小し、直腸内につり上げられ肛門から脱出しなくなっている。

 麻酔は通常は腰椎麻酔(サドルブロック)で行いますが、全身状態不良な場合には局所麻酔で行うことも可能です。なお、腰椎麻酔により、その合併症として頭痛が発生する場合があります。頭痛は自然に軽快しますが、軽快するまで約一週間を要す場合があり、そのために入院期間が長くなる可能性があります。

 PPH法は外痔核が著明なものに対しては適応になりません。また、一回の手術で切除できる直腸粘膜の長さは決まっているため、直腸粘膜脱が著しい場合には一回の手術だけでは完全に直腸粘膜脱が治らない場合があります。術後、しばらく経過観察し直腸粘膜脱が完治しない場合には再度追加手術が必要になる場合があります。術後合併症として後出血が起こることがあり、手術当日に起こることが多いようです。
 当院では、約60例にこの手術を行い、術後出血に対して当日内視鏡的に止血した症例が1例、直腸粘膜脱が著しく、後日再度追加手術を要した症例が1例ありました。